第14回永井隆平和記念・長崎賞 受賞者プロフィール

前川 和彦
(まえかわ かずひこ)
1941年3月7日生(81歳)

前川 和彦
(まえかわ かずひこ)
1941年3月7日生(81歳)

● 現所属

東京大学名誉教授
医療法人社団明和会 上溝介護老人保健施設 いずみ 施設長

● 主な経歴

1998年放射線医学総合研究所被ばく医療ネットワーク会議委員長
2000年原子力安全委員会 原子力発電所等周辺防災対策専門部会
緊急時医療検討WG主査
2011年内閣府原子力災害専門家グループ(特別調査員)
2011年内閣官房 低線量被ばくのリスク管理に関するWG委員
2012年環境省 原子力被災者等との健康についてのコミュニケーションにかかる
有識者懇談会委員
2014年厚生労働省 東電福島第一原発作業員の長期健康管理等に関する検討

● 受賞理由

前川和彦氏は1998年発足の放射線医学総合研究所被ばく医療ネットワーク会議委員長を務め、1999年に起こった東海村JCO臨界事故では、被ばく患者治療の陣頭指揮をとり、高線量被ばくの病態生理を明らかにしました。

東日本大震災での福島第一原子力発電事故では、内閣府の特別調査員として、被災者の被ばくに係る長期的な医療、健康管理に関すること、放射性物質の人体への影響に関すること等について、助言を行い、また、福島原発内における緊急医療体制を整えました。

放射線事故医療研究会 代表理事、原子力安全研究協会 放射線災害医療研究所 所長を歴任されながら、被ばく医療、放射線事故・災害に関する経験知を国内外に発信し続けています。

「緊急被ばく医療のあり方について」「原子力施設等の防災対策の指針」や防災基本計画の改訂の際、被ばく医療の状況に応じた医療体制の整備など、被ばく医療面で多大な貢献を行い、現在の日本における被ばく医療体制の基礎構築を黎明期より中心で支えられたことで、ヒバクシャ医療の向上と発展に貢献されました。

これらの活動を評価し、今回の受賞となりました。